ぱりぱりぴんぽろぺろぺろぷん

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2019/6/28

晴れ。台風と聞いていたが夜の間に通り過ぎていたようだ。

この二日間は差し迫った予定もなく、エアポケットのような日々だった。まあエアポケットなので気をぬくと墜落するんだが。昔からこういう時間の過ごし方が苦手で、時間が空いたなら空いたなりにその先の予定を見越して仕込みをすべきなんだけど、ついついそれまで我慢していたことをまとめてやってしまう。

今回の場合は因果推論とケモインフォ周りの情報収集をやっていた。因果推論も、もともと興味あるのは因果探索で、介入効果検証周りのテクニックは「まあ傾向スコア使っておけばいいでしょ」くらいの認識だったのだが、今回色々調べて従来の機械学習を使ったアプローチが進んでいることがわかった。ケモインフォについては完全に素人なので用語とツール周りを一通り把握していた。意外とPython一択の世界だった。

毎月の原稿仕事、締切間際に資料収集から原稿作成まで一気にやっているのだが、そろそろ計画的に原稿を貯めておけるようにしたい。このままでは忙しい時期に当たると爆死する。と思っていたらちょうど良い制作フローの紹介があった。ネタ探し、文章作成、構成の吟味まで4時間くらいでいつもやっているが、毎回忸怩たる思いで提出していた。ここに書かれているやり方を少しずつ身につけていこうと思う。

https://note.mu/qantasmz/n/n62e2647496ab

さて、能管の話だ。今回は価格の話をしよう。能管はその材質で価格が変わってくる。材質はプラスチック、花梨(木)、竹の3つが代表的である。価格についてはざっくり1.5万、4万、10万(以上)と考えてほしい。

プラスチックと花梨に価格の幅はない。竹製の能管の価格を左右する要素は大きく3つある。年数、作者、銘(およびそれを裏付ける箱書)である。年数はざっくり明治以降か以前かで分けられる。前者が新管、後者が古管と呼ばれるが、明治も終わって100年経つので古管といっても良いのかもしれない。作者については新管でも古管でも有名な人ほど高くなる。新管だと亡くなった方でいえば林豊寿や天野玄竹あたりだろうか。林豊寿のものになると100万近い価格のものがあり新管でそんなにするのと驚いた覚えがある。

価格を左右する最後の要素として銘がある。七十種銘管録に記載のあるような銘のものだと200万を超えてくる。ある笛なんて2000万などという値段がついていた。聞くたびに500万単位で値段が変わっていたが今はどうなっているだろうか。

なぜこんなに高くなるかといえば一つは古美術品として扱われるようになるからだろう。笛は楽器なのでその価値は普通、音色にある。古い笛が重用されるのも、長い間使われて初めて出せる音色があるからである。しかし古美術商で音を出せる人はまずいないので、普通は手を出さない。しかし元の所有者がプロの能楽師であったり、箱に書かれた歴史で価値が担保できる時は古美術商も扱うことがある。そうなってくると価格は跳ね上がってくるわけだ。これまで私が回ってきた感覚でだいたいの目安はあるのだがここに書くと弊害がありそうなので控えておく。

以上が色々と痛い目にあいながら学んできた能管の価格に関する諸々である。おかげさまで笛を見せられてもだいたい自分の中で折合いのつく価格が頭に浮かぶようになってきた。